
2015
Dirt Stage 土の時間を育てる / 世界土協会
Dirt Time / World Dirt Association
ベースキャンプ(新潟)


新潟県を中心に、世界各地から集められた土が、空間に静かに並べられる。
会期中、土は水を含み、変化し、ときに芽吹き、別の時間を育てていく。《Dirt Stage》は、土を展示物として固定するのではなく、関係し合い、変わり続ける存在として捉える試みである。高い視点から地層を見渡す体験は、私たちの日常的な時間感覚を離れ、地球のゆっくりとした呼吸に耳を澄ます場となる。

《Dirt Stage ―土の時間を育てる―》は、土を展示物として固定するのではなく、変化し続ける存在として空間に開く試みである。南条嘉毅、ジェームズ・ジャック、吉野祥太郎による世界土協会は、新潟各地の潟を中心に、全国から集められた土を学校空間に配置し、会期を通じて水を与え、観察し、手を入れ続けた。そこに現れるのは完成された「作品」ではなく、生成の只中にある状態そのものだ。
本作で構築される地層は、本来は地中に埋もれ、不可視のまま時間を重ねる存在である。それを人の視線の高さにまで引き上げる行為は、地質を知識として説明することではなく、地球の時間と身体的に出会う条件をつくり出すことに近い。異なる土地から運ばれた土は、四角い枠の中で並置され、既存の地理的・歴史的文脈から一度切り離されながら、新たな関係を結び直していく。
やがて芽吹き、枯れ、別の土へと痕跡を残す植物の循環は、元の土地とは異なる時間を土に重ねる。この「別の時間」は、自然と人為、保存と変化、展示と生活といった区分を静かに揺さぶる。さらに本作は、ワークショップや対話を通じて地域社会と接続され、制作過程そのものが共有される。ここでは土は対象ではなく媒介となり、鑑賞者は観察者であると同時に、時間に関わる当事者として位置づけられる。《Dirt Stage》は、展示空間を、地球の時間と人の時間が交差し続ける開かれた場へと変容させている。























