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Hilton Kyoto

撮影:市川靖史 Yasushi Ichikawa
(C)株式会社アートフロントギャラリー

2024

ヒルトン京都

Hilton Kyoto

ヒルトン京都(京都)

パネル、綿布、京都各所の土、アクリル、水彩絵具、ほか

絵画6点、インスタレーション1点

発注:ART FRONT GALLERY

Hilton Kyoto

撮影:市川靖史 Yasushi Ichikawa
(C)株式会社アートフロントギャラリー

撮影:市川靖史 Yasushi Ichikawa
(C)株式会社アートフロントギャラリー

ヒルトン京都において、エントランスロビーやエグゼクティブラウンジ、客室空間に向け、絵画および映像計7点をコミッションワークとして制作した。作品はホテル周辺の風景を主題とし、現在の景観に加え、平安京期にまで遡る地層的時間を重ね合わせて描いている。京都の地下に蓄積された人為と自然の痕跡に着目し、烏丸御池や鴨川、寺社各所、さらには建設中の敷地から採取した土を素材として用いることで、時間と風景の交錯を可視化する絵画表現を展開した。

ヒルトン京都における南条嘉毅のコミッションワークは、ホテル空間を滞在の場から、都市の時間層に接続された思考の場へと転換する試みである。エントランスロビー、エグゼクティブラウンジ、客室に配置された絵画および映像作品計7点は、周辺風景を起点としながら、京都という都市が内包してきた歴史的時間を重層的に可視化している。

南条は、風景を固定されたイメージとして扱うのではなく、土地に蓄積された人為と自然の痕跡が折り重なる「時間の断面」として捉えている。京都の地下約二メートルに平安京期の地層が残るという事実は、本作において象徴的な参照点となり、現在の都市景観と不可視の過去とを接続する思考の軸を形成している。画面には、烏丸御池や鴨川、知恩院、豊国神社、南禅寺といった地点に加え、ホテル建設時に採取された敷地の土が用いられ、物質そのものが時間を媒介する役割を担っている。

これらの作品は、鑑賞者に明確な物語を提示するのではなく、滞在という日常的な行為の中で、都市の深層に静かに意識を向けさせる。南条の絵画は、場所に固有の記憶を呼び覚まし、現代のラグジュアリーホテル空間において、時間と風景を再考するための批評的な装置として機能している。

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