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2015
南条嘉毅個展 " 水流 "
Solo Exhibition " Flowing water (Suiryuu) "
GALLERY TAGA2(東京)


本展「水流」は、水という移ろいゆく存在を手がかりに、土地の成り立ちや時間の重なりに触れようとする試みである。各地で出会った水辺の風景を、自ら撮影した写真と、その場で採取した土によって描くことで、流れる水と、そこに堆積し続ける大地の関係が画面に編み込まれていく。風景は一瞬の像ではなく、土地の記憶を内包した厚みとして立ち現れる。

南条嘉毅の個展「水流」は、水の流れを手がかりに、風景を支える地形や土地の時間構造へと接近する試みである。本展では、那智滝、鳥屋野潟、鳳凰三山、糠平湖のタウシュベツ川橋梁など、全国各地の水辺を主題とした20点の絵画作品が展示された。作家は現地を訪れ、風景を撮影すると同時に、その場所で採取した土を絵画の素材として用いる。ここで土は単なる物質ではなく、その土地が積み重ねてきた時間を内包する存在として画面に組み込まれている。
2012年に信濃川を源流から河口まで歩いた経験は、本作群の基層に位置づけられる。水をたどる行為は、しばしば川そのものを直接見ることではなく、地形を読み取り、土地の起伏や重なりを身体的に感受する行為へと転じていった。さらに下流域では、水害や治水、農業といった人の営 みが水の流れと交錯し、風景は自然と社会が重なり合う場として現れる。本展において水は、形を変えながら移動する存在であると同時に、土地の記憶を静かに運ぶ媒介として機能している。南条の絵画は、風景を固定された像としてではなく、時間の層が堆積し続ける生成の過程として捉え直す視座を提示している。
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