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撮影:川嶋鉄工所
2022
森の資料室
Forest Energy / Forest Reference Room
北海道大学和歌山研究林本館(和歌山)
鏡、映像、北海道大学和歌山研究林の資料、他
協力:北海道大学和歌山研究林


撮影:川嶋鉄工所
撮影:川嶋鉄工所
森のちからXIII
本作は、「標本室」という空間が本来備える認識の枠組みに着目し、その知覚構造を再編する試みである。人は空間や物の形態が発する情報を手がかりに意味を読み取り、行為を選択するが、これは知覚心理学におけるアフォーダンスの概念に通じる。本作では、標本そのものの形態は保持したまま、美術的文脈と技術によって配置や関係性を組み換えることで、既存の理解をずらし、標本物を新たに知覚・享受する可能性を提示する。

《森の資料室》は、「標本室」という空間が本来的に備えている知覚的・制度的枠組みに注目し、その前提となる認識構造を再編成することを目的としたインスタレーション作品である。鑑賞者は年季の入った階段を上り、「標本室」と記された扉に至る過程において、過去の経験や記憶に基づき、空間の機能や内部にある対象をあらかじめ予期する。この予期的理解は、知覚心理学におけるアフォーダンスの概念と密接に関係しており、対象や空間がその形態や配置によって行為や意味の可能性を暗黙のうちに提示する働きを指す。
南条は本作において、標本が通常担う「収集・分類・保存・理解」という制度的役割を一時的に停止し、標本自体の形態や物質性を保持したまま、美術的操作によって配置や相互関係を組み換えている。その結果、標 本が従来正しくアフォードしてきた意味の体系は撹乱され、鑑賞者は既存の知識や分類に依拠することなく、対象そのものと向き合うことを求められる。ここで立ち上がるのは、知識として把握される標本ではなく、知覚と想像力を媒介として再構成される標本物の姿であり、本作は標本をめぐる理解の枠組みそのものを問い直す実践として位置づけられる。
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