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Materials That Tell Stories / Takamatsu Contemporary Art Annual vol.06

撮影:青地大輔

2017

高松コンテンポラリーアート・アニュアルvol.06/物語る物質

Materials That Tell Stories / Takamatsu Contemporary Art Annual vol.06

高松市美術館(香川)

Materials That Tell Stories / Takamatsu Contemporary Art Annual vol.06

撮影:青地大輔

撮影:青地大輔

南条嘉毅は、京都で約20日間の滞在制作を行い、平安京創生館で目にした地層展示をきっかけに、時間への意識が大きく変化したと語る。地表からわずか数メートルの下に、800年、さらには数千年、数万年という時間が堆積している事実に触れ、時間は一様に流れるものではなく、場所ごとに異なる層として存在しているのではないかと感じたという。この感覚が、その後の制作における時間と場所の捉え方の基盤となった。

近年、写真や映像は個人の記録媒体として日常化し、ウェブやSNSを通じて他者の経験や記憶が即時的に共有される環境が定着している。こうした変化は、記憶の保存や想起のあり方そのものを更新し、時間や経験の距離を大きく縮めてきた。一方で、南条嘉毅の制作において強く参照されるのは、実際にその場に赴き、身体を通して経験された風景である。京都のように長期にわたり人の営みが重層してきた都市空間、坂出市の塩田跡や能登半島の地下坑道といった、人と土地との関係が異なる時間幅で堆積した場所は、それぞれ固有の場所性を帯びている。南条は、自ら撮影した写真や過去の絵画・資料から選び出した図像と、その土地に由来する土や絵具を用いることで、歴史や記憶を内包する絵画空間を構成する。鑑賞者はそこに自身の記憶を重ね合わせることで、風景が単なる再現を超え、時間を横断する契機として立ち上がる。本展では、絵画に加え、留まる時間と流動する時間を交錯させるインスタレーションにも取り組み、美術展示室そのものを一つの風景として提示する試みがなされている。

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